第239章

羽澤徳次はしばらく黙り込み、それから口を開いた。

「本当に、チャンスはもらえないのか。丹羽家の若奥様……あなたも母親だろう。雪乃は確かに間違いを犯した。だが反省もしている。それに、子どもに罪はないじゃないか」

島宮奈々未は水を一口飲んでから、落ち着いた声で返す。

「羽澤社長。私の性格、まだご存じないんですね。さっきおっしゃったとおり、子どもに罪はありません。だからこそ、子どもを盾にして許しを迫るのは、なおさら違うと思います。情に訴えて人を縛るのは――どうなんです?」

島宮奈々未は甘くも辛くもない。渡辺芳美はまだ意識が戻っていないし、丹羽光世も態度を明らかにしていない。そんな状況で、彼...

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